100レース以上で使った、Vittoria Corsa G2.0のインプレ

2016年から、Vittoria Corsa G+、モデルチェンジ後はG2.0を決戦用チューブラータイヤとして使い続けてる。数年前にG+のインプレ記事をアップしたことはあるんだけど、おそらく100レース以上でVittoria Corsa G+またはG2.0を使用し、8セット程使い倒したので今回改めてインプレを書こうかなと。

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Vittoria Corsa G2.0とは

コルサは、ヴィットリア社のラインナップされているタイヤの中で最もハイエンドなシリーズ。

2015年にG+がリリースされ、2018年にモデルチェンジしたG2.0がリリースされた。んで、自分は2016年にG+を使い始めてから、浮気することなくずーっとレース用チューブラーはコルサを使用。

あと、コルサにはモデルが3つあって、通常モデルのCorsa G2.0、グリップ力を重視したG2.0 Corsa Control、転がり抵抗を重視したCorsa G2.0 Speedがラインナップされてる。

SpeedはTT用な雰囲気が出てて、ロードレースメインで使う自分には通常モデル一択。ただ、ピストクリテ用のホイールにはG2.0 Controlも良いなと思ったり。

ちなみに製品名に入っている”G”は、”Graphen(グラフェン)”の意味。グラフェンは物質の名称で、とりあえずすごい物質らしい。(語彙力w)

富士通研究所のWebサイトには、下記のように書かれてる。

炭素(=カーボン)原子が網目のように六角形に結びついてシート状になっているものをグラフェン(graphene)といいます。

グラフェンのすごいところは?

グラフェンの厚さは1ナノ(ナノは10億分の1)メートル程度と極めて薄く、軽くてしなやか、そして透明です。ダイヤモンド並みの強度を持ちながら柔軟に折り曲げることができ、電気の伝導率は銀より高く、熱の伝導率は銅の10倍くらいです。化学耐性や耐熱性の高さからシリコンや貴金属の代替品として注目されています。同じカーボンからできている「カーボンナノチューブ」と特徴がよく似ています。そのため、製品のどこに使うかによって、使いやすい状態のもの(チューブ or シート)を選びます 。例えばグラフェンは、薄いシート状を活かしたトランジスタ(チャネル材料)やセンサーなどへの応用に適しています。

そんな、夢の素材グラフェンが配合されたハイエンドタイヤがVittoria Corsa G2.0なわけでございます。 リンク

なぜいまだにレース用タイヤにチューブラーを使ってるのか

今回インプレするのは、チューブラータイヤ。(Vittoria Corsa G2.0には、クリンチャー、チューブレスレディー、チューブラーの選択肢がある。)

チューブラーはオワコンな雰囲気が世の中に溢れる中、「レースはやっぱりチューブラーよね。」とか言いつついまだにチューブラーを使ってるんだけど、一応、理由はある。

1つは安心。クリンチャーだとパンクするとすぐに空気が抜けて走れなくなってしまうけど、チューブラーの場合は大抵スローパンク。ダウンヒル中にパンクしても、チューブラーならコケずになんとかなりそうだけど、クリンチャーだとなす術なくコケる可能性が高い。この辺、チューブレスも同じことが言えるんだけど。(チューブラー貼り忘れによる落車をたまに見かけるけど、あれは論外・・・。)

もう1つは軽さ。ここがチューブラーとの差かな?とりあえず軽い。チューブラーモデルとチューブレスモデルを出してるホイールを見るとわかると思うけど、チューブラーモデルの方が200gぐらい軽い。

タイヤ自体の重量差に関しては、Vittoria Corsaを例にとってみると、チューブラーの28Cが360gでチューブレスレディ28Cが310g。チューブレスレディはシーラント注入が基本だから、タイヤの重量差を加味してもチューブラーの方が軽い。

あと、メーカーはユーザーに対してチューブレスやクリンチャーのメリットを訴求してマーケティングしてるけど、「とか言いつつ自分ら、レースはチューブラー使ってるやん。」って言いたいw

インプレ

というわけで、本題。Vittoria Corsa G2.0のインプレ。

とにかくグリップする

このタイヤの一番良いところ。5年間使い続けてる理由。とにかくグリップする!

クリテのコーナリング、ロードレースのダウンヒル、安心して使える。タイヤのグリップを感じやすいから、信用できる。たまに、グリップ感というか、接地感が無いけど実はグリップする。ってタイヤがあるけど、そんな感じではない。鈍感な自分でも「あ、グリップしてるわ!」って感じられる。

「5年間でグリップ抜けて落車した経験なし!」って書きたかったんだけど、残念。昨年末のJBCFおおいたクリテのヘアピンでタイヤグリップ過信しすぎて単独落車をメイクしてしまった。油断禁物。(→2020年JBCFおおいたいこいの道クリテリウム E2 – はるそめロードバイク日記

路面がウェットでも問題なし

雨でも問題なくグリップする。5年間で何回か雨のレースがあったけど、毎回、コルサのグリップの良さを感じられた。

G+がリリースされる以前のコルサは、「ウェット路面でめっちゃ滑る!」で有名だったけど、G+以降は問題なし。実際、G+になる前のコルサを雨のつくば8耐で使った際に、何気ないコーナーでツルッとグリップ抜けてコケた経験ある。あれ以来しばらく、ウェット恐怖症になってしもた。ウェット路面のグリップ性能は重要。精神衛生的にも。

特に、雨の群馬CSC。JBCFレースが雨だったんだけど、結構な数の選手がビビって減速してる中、車速殺さず曲がって一気に順位アップ。みたいなシーンが結構あった。あと、微妙に濡れてたひたちなかエンデューロもそんな感じだったな。

5年間でパンクは3回

大体、半年〜1年でパンクする前に新品に交換してるおかげもあって、パンク経験は少なめ。5年間で3回。(多分あってるはず・・・。)

その内2回は、寝てる間に空気抜けてて、水に沈めて初めてパンクに気づくスローパンクパターン。改めて、チューブラーの良さを実感したなぁ・・・。練習中やレース中にパンクしても、とりあえず最後まで保つ可能性があるもんね。クリンチャーではありえない。

3回中の1回が「なんで今やねん!」ってタイミングで、2017年のツール・ド・おきなわ市民210kmのレース中。(→2017年 ツール・ド・おきなわ 市民210km。1落車1パンク完走。 – はるそめロードバイク日記

ただ、ここでもチューブラーの良さ(?)が活きて、奥の登り後にスローパンクに気づいたものの、普久川ダム手前までパンクした状態でドラフティング効果を得られた。これがスローパンクじゃなくてすぐにホイール交換必要なパンクだったら、奥の登り〜普久川ダムまでのド平坦区間を先頭集団のドラフティング効果なしで走らないといけなかったんだろうなと。

まぁ、「5年で3回あったパンクの内の1回がなんでおきなわやねん!」って話なんだけれども・・・。

ブレーキでロックしやすい

あんまりこのタイヤでデメリットを感じないんだけど、気になることと言えば、縦方向のグリップ。練習用ホイールにはIRCのチューブレスがついてるんだけど、似たようなブレーキングでもタイヤロックする頻度はコルサの方が多い。横方向のグリップは良いんだけど、縦方向のグリップは弱めかな?と思う。

転がり抵抗はよくわからないw

転がり抵抗は良い気がするんだけど、、、正直、鈍感すぎてよくわからない。ていうかみんな、転がり抵抗の違いまで感じられちゃうの??

タイヤトレッドの減りは結構早い

タイヤそのものの寿命はそこまで短く無いものの、トレッドの減りは早い。

Vittoria Corsa トレッドパターン
コルサのトレッドパターンは、シンプルな縦溝。写真はVittoria本国サイトから。

リアタイヤは1,000kmぐらい乗ると、溝がかなり薄くなる。あと、ブレーキでロックしやすいって書いたけど、レース中に思いっきりロックさせてしまうと、1発でフラットスポットできて溝がなくなる。

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1シーズン(2,000kmぐらい?)使用したフロントタイヤ。
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同じく1シーズン使用したリヤタイヤ。

まぁ、レース用だしこんなもん?

まとめ:これからも決戦用チューブラーはVittoria Corsa G2.0

というわけで、Vittoria Corsa G2.0のインプレを書いてみた。タイヤの性能には大満足してるし、他のメーカーがもっとすごい(語彙力w)素材を見つけてきて、性能が大幅に進化しない限り、このままずーっと使い続けるんだろうなと思う。

そもそも、市場トレンド的にロード用チューブラーなんて需要ないし、技術革新はこれ以上起こらない気がするし。

個人的には、フロントは年1回、リアは年2回交換する運用がベストかなと。と言いつつ、ついつい1シーズン通して使ってしまいがちなんだけど。

とりあえず、「レースで使うならチューブラーでしょ!」って人にはベストバイと自信を持っていえるタイヤ!

追記:空気圧について

参考までに、自分がコルサを使う際の設定空気圧を追記しとく。なお、体重は60kgの頃の話。(今、鎖骨骨折お太れによってプラス3kg🥺)

コンディション空気圧
クリテ・ロードレース6.5〜6.8bar
サーキットレース7.0bar
ウェット6.0bar

以下、参考までにMyMavicアプリで計算した空気圧。Mavicが指定する空気圧より低めが好み。

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左がドライ、右がウェット。

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この記事を書いた人

デジタルマーケティングコンサルとして働く1児の父。
タイヤの付いた乗り物(ロードレース・シクロクロス・レーシングカート)でレースするのが生きがいです。

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