チネリのヴィゴレッリロードを買ってからというもの、あまりにも乗り心地がしっくりくるから、「実は、普通に登りもあるロードレースでも使えるんじゃないか?1.2kg重いだけで。」と思うようになった。で、どうしても検証してみたくなったので、今年の実業団レース開幕戦の修善寺ロードレース2DaysでABテストしてみることにした。
ただ、レース記事でも書いたけど、乗り手は最低な状態だったので、数値だけで比較することにする。きっと、体感はアテにならない気がするから。
前提条件
- Day1はクロモリロードなCinelli Vigorelli roadを使用。重量は8.2kg。
- Day2はカーボンロードなBH G6を使用。重量は7.0kg。
- それぞれ、ホイールはF6R、タイヤはCorsa G+、インナーリングはバロックギア。
- Day1は非常に寒く風が強かったが、Day2は暖かくて比較的穏やかだった。
- Day1、Day2、それぞれ、リアルスタートの位置は似たようなもん。
レース全体の比較
項目 | クロモリ Vigorelli Road | カーボン BH G6 |
---|---|---|
レース | JBCF修善寺ロードレースDay1 | JBCF修善寺ロードレースDay2 |
順位 | DNF(83)/117 | DNF(97)/119 |
順位% | 70% | 81% |
トップ差 | -2lap | -2lap |
距離 | 31.6km | 23.6km |
時間 | 1時間9分 | 52分 |
平均時速 | 27.3km/h | 27.4km/h |
平均Pwr | 186w | 182 |
NP | 230w | 230w |
両日DNFだったけど、降ろされた時点の順位を見てみると、Day1のクロモリの方が良い。ただ、NPと平均速度は両日同じ。Day1に比べてDay2は暖かくてパワーが出やすい状況だったため、周りのコンディションが上がったんじゃないかとも考えられる。
この数値だけを見る限り、クロモリの方が良いんじゃないかと思える。ただ、Day1はグルペットっぽい集団で走れたけど、Day2はほぼ一人旅だった。
ラップデータを比較 by Garmin Connect
Lap | 項目 | Day1 | Day2 | Day1との差 |
---|---|---|---|---|
Lap1 | Lap Time | 16分35秒 | 17分32秒 | +57秒 |
AP | 201w | 181w | -20w | |
NP | 263w | 256w | -7w | |
Lap2 | Lap Time | 17分15秒 | 16分4秒 | -1分11秒 |
AP | 184w | 187w | +3w | |
NP | 221w | 226w | +5w | |
Lap3 | Lap Time | 17分45秒 | 18分2秒 | +17秒 |
AP | 183w | 180w | -3w | |
NP | 214w | 201w | -13w | |
Total | Lap Time | 51分35秒 | 51分38秒 | +3秒 |
AP | ave189w | ave182w | -7w | |
NP | ave232w | ave227w | -5w |
クロモリの方が、後半の脚の残りは良かったように見える。上の表に入れていないけど、Day1は+1周していて、ラップタイムもNPも、Day2の3周目より良かった。
この表を見ると、クロモリの方が脚が残せて、レース全体で考えると良いようにみえる。
区間データを比較 by Strava
区間・回数 | Day1 Time | Day1 Power | Day2 Time | Day2 Power |
---|---|---|---|---|
8kmコース登り① 1回目 | 2:19 | 319w | 2:32 | 281w |
8kmコース登り② 1回目 | 1:16 | 335w | 1:11 | 386w |
2号橋登り 1回目 | 3:49 | 238w | 3:20 | 248w |
1号橋登り 1回目 | 3:15 | 222w | 3:10 | 201w |
8kmコース登り① 2回目 | 2:54 | 231w | 2:44 | 223w |
8kmコース登り② 2回目 | 1:32 | 262w | 1:15 | 316w |
2号橋登り 2回目 | 4:06 | 226w | 3:41 | 229w |
1号橋登り 2回目 | 3:33 | 214w | 3:22 | 200w |
8kmコース登り① 3回目 | 3:07 | 231w | 3:07 | 208w |
8kmコース登り② 3回目 | 1:40 | 266w | 1:45 | 227w |
2号橋登り 3回目 | 4:14 | 213w | 4:29 | 209w |
1号橋登り 3回目 | 3:40 | 220w | – | – |
8kmコース登り① 4回目 | 3:02 | 233w | – | – |
8kmコース登り② 4回目 | 1:42 | 246w | – | – |
2号橋登り 4回目 | 4:29 | 206w | – | – |
次は区間データ。Stravaのセグメントデータを持ってきた。手前の下りの速度であったり、集団かどうかであったりでタイムとパワーの関係は変わってきそう。とはいえ、カーボンの方がクロモリより、ほぼ同タイムの時の平均パワーが少ない傾向があるように見える。8kmコース登り①の3回目とか、Day1の2号橋登り1回目とDay2の2回目とか。
下のグラフは各登りのパワーとタイムを登場順にプロットしたもの。1枚目が平均パワー、2枚目がタイム。
こうやって並べると、要所要所でドカンと上がっているものの、カーボンフレームを使ったDay2の方が少ないパワーで済んでいるように見える。
じゃあ、パワーが少ない分遅いのか?というとそうでもなく、むしろDay2の方がDay1より速く登れているように見える。ただし、後半は逆転。もう1周走れれば、もうちょっと傾向が見えたかもしれないのになぁ。ただ、Day1がグルペットっぽい集団、Day2がほぼ一人旅だったことを考えると、カーボンに分があるように思える。カーボンの方が登れる分、登りで稼ぐけど、平坦は単独だからDay1より遅い。それで似たようなラップタイムになった。的な?
CPを比較 by Golden Cheetah
最後はクリティカルパワーのグラフを比較。青い線がDay1、緑の線がDay2.
1枚目のグラフは、Day1とDay2のCPを並べたもの。2枚目のグラフはDay1を基準として、Day2のCPがどうだったのか?を表示したもの。
こうやってみると、短時間の出力はカーボンに分があるけど、長時間になればクロモリの方が良い。っていう風に見える。
まとめ
今回のデータだけで言えることは、「距離が長ければ、カーボンフレームよりクロモリフレームの方が戦える可能性がある。とはいえ、修善寺のような登りまくるコースはカーボンフレームの方が少ないパワーで走れるからカーボンフレームが無難。」って感じかな??もともと想定していた、登るコースはG6、平坦系エンデューロやクリテリウムはヴィゴレッリって役割分担はあながち間違ってなかった様子。
コメント
コメント一覧 (2件)
いや~おもしろい内容でした!!
金額で数倍するBHの方が絶対的性能が上!!とならないところが面白い!ヾ(・・;)
vigorelli万歳!!d(⌒o⌒)b
ヴィゴレッリでも相対的に、十分走ることがわかってしまいましたね〜!良いフレームです!