IRC Formula Pro Tubeless RBCCのインプレ【一番お気に入りのチューブレスタイヤ】

チューブレスタイヤの中で最もお気に入りなIRC Formula Pro RBCC。Yahoo!ショッピングやAmazonの購入履歴を検索すると、これまでに10セット近くリピートしてた。(旧モデルも含む。)
ちなみに、一番お気に入りのチューブラータイヤはVittoria Corsa G2.0。→100レース以上で使った、Vittoria Corsa G2.0のインプレ

現在では、トレーニング用ホイールに通常のFormula Pro RBCCを、レース用ホイールにはTLR(チューブレス・レディ)モデルなFormula Pro RBCC S-Lightを使用中。

ってことでそんなお気に入りの、IRC Formula Pro RBCCのインプレ記事でございます。

Contents

IRC Formula Pro Tubeless RBCC

日本のメーカーであるIRCタイヤ(井上ゴム工業株式会社)が製造・販売しているロードバイク用チューブレスタイヤ、”IRC Formula ProTubeless RBCC”。自転車だけでなく、二輪タイヤもケイパビリティとして持っている。

自分の理解が正しければ、自転車用チューブレスタイヤメーカーとしては老舗。5年ほど前までは、チューブレスタイヤと言えばIRCかユッチンソンしか選択肢がなかった。今では、MavicやVittoriaやContinental等々、いろんなメーカーが参入しているけど、開発歴はIRCの方が長い。なのできっと、ノウハウは他社より溜まっている・・・はず!

プロチームへの供給先としては、海外勢だとEFエデュケーション・イージーポストの育成チームである、UCIコンチネンタルチームのNIPPOプロヴァンスPTS CONTIのみ。
あとは、国内チームだけなので・・・プロレースでの実績としては、他メーカーに劣る。(他メーカーがUCIワールドチームにTLタイヤを定常的に使わせてるのかはイマイチ不明なものの、2022年のストラーデビアンケで勝利したポガチャルはチューブレスタイヤを使ってたって噂。)

とは言え、個人的にはとても良いタイヤだと思う!むしろ、海外チームにサポートしてないからこそのコストパフォーマンスなのかもしれないしw

グリップ性能について

というわけで、ここから実際にタイヤを使ったインプレを書いていく。なお、普段の空気圧は4.8〜5.2barあたりと低めで運用してる。最初は6barぐらい入れてたんだけど、硬さが出て乗り味がイマイチで、5barまで落としてのるとめっちゃ乗り味良くなった。

接地感が最高すぎる

個人的に、IRC Formula Pro RBCCの一番の良いところは、抜群の接地感だと思う。

とにかく、タイヤのグリップを感じやすい。今まで使ったタイヤの中で圧倒的1位

ここまでならグリップしてくれるはず!」ってのが感じやすいので、安心してコーナーやダウンヒルを攻められる。

もしかすると、他のメーカーよりグリップ限界値が低いのかもしれないけれど、自分の場合はこのタイヤを使った方が攻められる。というのも、仮にVittoriaのグリップ限界が10、IRC RBCCのグリップ限界が9だったとしても、Vittoriaは接地感がIRCに比べて薄いから、限界いっぱいの10までは怖くて攻められず、せいぜい使えるのは6〜7ぐらい。対してIRC RBCCは接地感が強くて、8ぐらいまで安心して攻められる。

接地感が感じられなくても、タイヤグリップの限界まで使い切れるテクニックを持ったライダーにはVittoria等、他メーカーの高級チューブレスタイヤの方が良いのかもしれないけど、テクニックが大したことない自分のようなライダーであれば、接地感が感じられるIRCの方が良い。と、自分は感じる。

ドライもウェットもしっかりグリップする

自分のテクニックでは正直、グリップ限界までタイヤを使い切ることができないんだけど、、、自分が使う限りはしっかりグリップしてくれる。今のところ、IRC RBCCを使ったトレーニングやレースでのスリップダウンは経験なし。

何回か、ウェットのレース、ウェットのダウンヒルをこのタイヤと共に経験したけれど、ウェットでも十分グリップする。(グラフェンが配合される前のVittoria Corsaや、初代のMichelin Power、あと、噂によるとGoodyearは、ドライ最高だけどウェットになった途端ノーグリップになってしまったりするんだけど、IRC RBCCはそんなことないのでご安心!)

雨の宮ヶ瀬クリテリウムで使用した時。
ただでさえ砂利が浮いてて滑るコースなのにウェットコンディション。しっかりグリップしてくれた。

転がり抵抗について

転がり抵抗については、レース用に使用(していた)チューブラータイヤ(Vittoria Corsa G2.0)に比べると、少し劣るかな?もっさり感あるかな?と感じた。

実際にデータ的にはどうなんだろう?とBicycle Rolling Resistanceを確認すると、下記のような結果が出ている。(もっと低圧が見たかったものの、低圧での結果は有料会員のみへの公開らしく。)

空気圧6.9barでの抵抗値

IRC RBCC Formula Pro RBCC: 15.7watts
Continental GP5000TL: 8.9watts
Mavic Yksion Pro UST: 12.2watts

https://www.bicyclerollingresistance.com/road-bike-reviews

上記は抵抗値なので、低ければ低いほど抵抗が少ない=速い。と考えると、あくまで装置上での話ではあるものの、転がり抵抗はあまり良くないと言えそう。ちなみに、15.7wattsは、Bicycle Rolling Resistanceで公表されてるTL/TLRタイヤのなかでは31製品中29位の数値。

下にランクインされているのは、ピレリの耐パンク&コンフォートモデルなCINTURATO VELO TLRぐらい。

IRC Formula Pro RBCCを絶賛する記事を書くつもりで記事を書き始め、初めてBicycle Rolling Resistanceのデータを確認したんだけど・・・ちょっと凹む結果ではあるw

耐久性について

続いて、耐久性について。
先に書くと、可もなく不可もなく。ってのが印象。トレーニングタイヤとしてはちょっと頼りないかもしれない。

だいたい、2,000kmぐらい走るとリアタイヤが平らになり始め、〜4,000kmあたりで真っ平になるので交換が必要かな?って感じ。

パンク経験はそれなりにある。雨の日に尖った石踏んでスローパンクしたり、晴れの日に釘踏んで走行不能になったり、グレーチングに気づかずリム打ちパンクしたり。(釘は運、リム打ちはスキルの問題が大きいけれど。)

釘踏んだ時。ただ、見ての通り、トレッドが完全に消えるほど使い込んではいた。

ただ、石踏んでスローパンクは1年で数回と、それなりの頻度。ってところから、耐パンク性能はイマイチかも?と。あと、サイドカットは1度経験あり。グレーチングを乗り越えた際に切れてしまった。

幸い、自走帰宅不可能なレベルのパンクはこの数年で2回しか発生しなかった(チューブレスパンク修理キットでなんとかなった)ので、そこは、チューブレス故のメリットなんだろうなと。

まだ300kmぐらいしか走ってないリアタイヤ。
3,000km以上使い込んだリアタイヤのトレッド面。トレッドがほぼ無くなってる。替え時。
半年以上使用したフロントタイヤ。フロントはパンクするまで使える気がする。

タイヤの装着しやすさ

ホイールとの相性があると思うけど、タイヤを嵌めるところは調子が良ければタイヤレバー無しでイケる。ビート上げに関しては、DT-Swissのようなお高いホイールだとほとんど苦労せず、Primeホイールのような安物ホイールだと苦労するw

ただ、PrimeホイールにDT-Swissの固いリムテープを巻いてからは、タンクポンプ一発でビードが上がるようにはなった。MAVICユーザーが、「こんなもん一生はまらねーよ!」とTweetしてるのをたまに見る限り、IRCは上がりやすいのかな?と思ったり。

DT Swissのリムテープがすこぶる良き。リムホールの穴に沿って凹みづらい。

空気漏れについて

トレーニングタイヤとして使う場合、意外と気になるのが空気の漏れ具合。空気漏れが激しいタイヤだと、一晩で1bar以上抜けることもある。

その点、IRCに関しては、1週間で1bar抜けるか抜けないかってぐらい。なので、ポンプで空気入れるのは2〜3日に1回で良いやぐらい。朝練前の空気入れって、集合時間に間に合うか間に合わないかのギリギリを攻めてる場合、入れなくて良いととても楽w

コストパフォーマンスと入手性について

入手性については、国産タイヤってだけあって、安定している気がする。Yahoo!ショッピングやAmazon、Rakutenで購入可能。

コストパフォーマンスも良いと個人的には思ってる。というのも、そもそも定価が安く・・・って書こうと思ったんだけど、今公式サイト見たら値上がってる!?数年前は定価でも6,000円台だった認識なんだけど、現在は税込9,240円。うーん・・・。

ただ、実売ベースでのコスパは良いはず。ちょうど先月、Yahoo!ショッピングで買った際は、2本買って商品価格13,248円。ここにポイントバック20%(日曜日+超PayPay祭り+倍!倍!ストア)が付いたので、実質約10,600円。1本あたり5,300円

いちいち海外通販使わなくても、国内で安く買えるのは利点の1つかなと思う。(定価が9,000円台だったのは想定外だったけど・・・。)

まとめ

記事の中で絶賛するはずが、記事を書く中でBicycle Rolling Resistanceで公表されている転がり抵抗がイマイチである事と、製品定価が思ってたより高い事が判明して、微妙にネガティブ記事になりつつあるんだけど、、、これらネガティブポイントを吹き飛ばすほどの安定の接地感を得られる。

接地感が感じられると、コーナーやダウンヒルを安心して走れるので、ロードバイクに乗るのがきっと楽しくなる。レースにおいても、タイヤの転がり抵抗数Wattsの差よりも、コーナーや下りで千切れにくくなる事のメリットの方が大きいと個人的には思う。(コーナーで前走者との差を広げて、踏んで追いつくロスの方が圧倒的に大きい?と。)

転がり抵抗が低い高級タイヤを使ってるんだけど、どうしてもコーナーで攻められなくてレースで遅れがち・・・って悩みを抱えているなら、一度、転がり抵抗を犠牲にしてIRCを試してみてほしいなと思う。

追記:TLRモデルな”IRC Formula Pro S-Light”も試してみた

IRC Formula PRO S-Light

我が家にあるホイールは全て、チューブレスレディ用のホイールなので、タイヤがチューブレスであったとしても、シーラントの注入が必要。IRC Formula Pro RBCCはチューブレスタイヤなので、シーラントを入れなくても使えるんだけど、ホイールにシーラントが必要であれば、入れないといけない。

であれば、チューブレスより軽いチューブレスレディタイヤの方が良くない?ってことで、IRCにラインナップされているチューブレスレディモデルな”IRC Formula Pro S-Light”を使ってみることにした。ちなみに、RBCCのカタログ重量は310gで、S-Lightのカタログ重量は250g。(28cの場合)

RBCCよりもS-Lihgtの方が前後合わせて120g軽い

ってことで購入して装着し、実際に使ってみた。RBCCと比べた感想は以下の通り。

  • ハメやすさは大差なし。
  • グリップ、接地感も大差なしで良い。
  • 転がり抵抗は体感できるほどではない。
  • 耐パンク性は非常に悪い。

というのも自分のS-Light、500km程度でパンク。チームメイトのキノさんも似たような距離でパンク。500kmでパンク後、シーラントで塞いで使っていたものの、しばらくして再度パンクしたので、前後外して使うのをやめた。(そしてそのまま、RBCCに戻るのではなく、Panaracer Agilestに浮気。1本使い切ったらインプレ書く。)

というわけで、個人的には、S-Lightはおすすめしない。ヒルクライム用の決戦用って位置付けで良いんじゃないかなぁと思う。

ちなみに、AmazonやYahooショッピングでは不人気なのか、RBCCよりも安くで売ってる事が多い。定価は一緒なんだけど。

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この記事を書いた人

デジタルマーケティングコンサルとして働く1児の父。
タイヤの付いた乗り物(ロードレース・シクロクロス・レーシングカート)でレースするのが生きがいです。

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